IPv4アドレスクラス（A/B/C）の廃止とCIDR導入の歴史に関する質問
IT初心者
IPv4アドレスクラスって何ですか？それが廃止された理由と、CIDRって何か教えてください。
IT専門家
IPv4アドレスクラスは、IPアドレスをA、B、Cの3つのクラスに分けて管理していた方法です。しかし、インターネットの急速な成長により、アドレスが不足しました。そのため、より効率的なCIDR（Classless Inter-Domain Routing）という新しい方式が導入されました。
IT初心者
具体的にCIDRはどういう仕組みなんですか？
IT専門家
CIDRは、ネットワークのアドレスを柔軟に割り当てることができる仕組みです。従来のクラスごとに固定されていたアドレスの枠を取り払い、必要なアドレス数に応じて、より小さく、または大きくアドレス空間を割り当てることができます。
IPv4アドレスクラスとCIDRの歴史的背景
IPv4（Internet Protocol version 4）アドレスは、インターネット上でのデバイスの識別に使用される数字の組み合わせです。IPアドレスは、基本的に32ビットの数字で構成され、そのため最大で約42億のアドレスを提供できます。しかし、インターネットの急成長により、これらのアドレスは早々に枯渇し始めました。これが、IPv4アドレスクラスの廃止とCIDR（Classless Inter-Domain Routing）の導入につながりました。
IPv4アドレスクラスの概要
IPv4アドレスは、もともとA、B、Cの3つのクラスに分けられていました。これらのクラスは、アドレスの範囲や、ネットワーク内で使用できるホストの数に応じて異なります。具体的には以下のようになります。
- クラスA：最初のビットが0で始まり、最大16,777,214のホストを持つことが可能です。
- クラスB：最初のビットが10で始まり、最大65,534のホストを持つことが可能です。
- クラスC：最初のビットが110で始まり、最大254のホストを持つことが可能です。
このように、クラスごとにホスト数が異なるため、特定のネットワークに対して適切なクラスを選択する必要がありました。しかし、インターネットの普及に伴い、アドレスの需要が増大し、これらのクラスの設計ではもはや対応できなくなりました。特にクラスAとBのアドレスは、使用されない部分が多く、無駄が生じていました。
CIDRの導入とその仕組み
このような背景から、CIDRが1993年に導入されました。CIDRは、アドレス空間をより効率的に管理するための方法です。CIDRでは、IPアドレスとサブネットマスクを組み合わせて、アドレスの割り当てを柔軟に行います。具体的には、アドレスの後ろにスラッシュ（/）を付け、その後にビット数を指定することで、ネットワークのサイズを示します。例えば、「192.168.1.0/24」は、192.168.1.0というネットワークのアドレスで、24ビットがネットワーク部分であることを示します。この方法により、必要なアドレス数に応じて、アドレス空間を柔軟に割り当てることが可能になりました。
CIDRの最大の利点は、アドレスの無駄遣いを防ぎ、より多くのデバイスがインターネットに接続できるようにすることです。実際、CIDRの導入により、IPv4アドレスの効率的な利用が可能になり、インターネットの成長を支える重要な要素となりました。
CIDR導入後の影響
CIDRが導入されたことで、インターネットのアドレス管理は大きく変わりました。これにより、インターネットサービスプロバイダー（ISP）や組織は、自分たちの必要に応じてアドレスを柔軟に割り当てることができるようになりました。また、アドレスの集約が可能になり、ルーティングテーブルのサイズが小さくなるため、ネットワークの効率も向上しました。
これにより、インターネットのパフォーマンスや安定性も大きく向上し、より多くのユーザーがインターネットに接続できるようになりました。したがって、CIDRは単なるアドレス管理の手法ではなく、インターネットの発展において不可欠な要素となりました。
まとめ
IPv4アドレスクラスの廃止とCIDRの導入は、インターネットの成長とともに生じた必然的な変化です。アドレスクラスに制約されることなく、CIDRによって柔軟で効率的なアドレス管理が可能になったことで、インターネットはさらに多くのデバイスを接続できるようになりました。今後も、インターネットの成長に伴い、アドレス管理の方法は進化し続けることでしょう。
