DNS over HTTPS(DoH)とは?プライバシーを守る新技術

IT初心者
DNS over HTTPSって何ですか?どうして必要なんですか?

IT専門家
DNS over HTTPS(DoH)は、DNS(ドメインネームシステム)リクエストをHTTPSプロトコルで暗号化する技術です。これにより、インターネットの利用時にプライバシーが守られ、悪意のある第三者からの攻撃を防ぎます。

IT初心者
DoHを使うと、どんなメリットがありますか?

IT専門家
DoHの主なメリットは、通信内容が暗号化されるため、インターネットサービスプロバイダー(ISP)や他の第三者に見られにくくなることです。また、DNSリクエストがHTTPではなくHTTPSで行われるため、セキュリティが向上します。
1. DNSとは?
DNS(ドメインネームシステム)は、インターネット上のドメイン名とIPアドレスを対応付けるシステムです。例えば、私たちが「www.example.com」と入力すると、DNSはそのドメイン名を関連するIPアドレスに変換します。この変換が行われることで、ウェブサイトにアクセスできるのです。DNSはインターネットの「電話帳」のような役割を果たしています。
2. DNSのセキュリティ上の問題
従来のDNSは、リクエストが暗号化されていないため、第三者が通信内容を盗聴したり、改ざんしたりする危険があります。これにより、ユーザーのプライバシーが脅かされることがあります。たとえば、悪意のある攻撃者がDNSリクエストを傍受し、ユーザーを偽のサイトに誘導することが可能です。このような攻撃を防ぐために、DNSのセキュリティが重要視されています。
3. DNS over HTTPS(DoH)の仕組み
DNS over HTTPS(DoH)は、DNSリクエストをHTTPSプロトコルで暗号化します。これにより、通信内容が第三者に見られにくくなります。具体的には、リクエストが転送される際に、TLS(Transport Layer Security)という暗号化技術が用いられます。この技術により、通信のプライバシーとセキュリティが確保されます。
3.1. DoHの動作
DoHを使用する場合、ユーザーのデバイスがDNSサーバーに対してHTTPSリクエストを送信します。このリクエストは暗号化されており、外部の第三者が内容を確認することはできません。DNSサーバーはリクエストを処理し、結果を暗号化された状態でユーザーのデバイスに返します。これにより、ユーザーは安全にウェブサイトにアクセスできるのです。
4. DoHのメリットとデメリット
DoHには多くのメリットがありますが、一方でデメリットも存在します。以下にそれぞれのポイントを挙げます。
4.1. メリット
- プライバシー保護: DoHは、通信が暗号化されるため、ISPや悪意のある第三者からの監視を防ぎます。
- セキュリティの向上: DNSリクエストの改ざんが難しくなるため、フィッシングサイトやマルウェアサイトへの誘導を防ぎやすくなります。
4.2. デメリット
- パフォーマンスの低下: 暗号化処理が追加されるため、従来のDNSに比べてわずかにパフォーマンスが低下することがあります。
- 設定の複雑さ: DoHを利用するためには、対応したブラウザやアプリケーションの設定を行う必要があります。
5. DoHの実装状況と今後の展望
現在、多くのブラウザやオペレーティングシステムがDoHに対応しています。例えば、Google ChromeやMozilla Firefoxでは、DoHを簡単に有効にすることができます。今後、さらに多くのサービスがDoHを採用することで、インターネットのプライバシーとセキュリティが向上することが期待されています。
6. まとめ
DNS over HTTPS(DoH)は、インターネットのプライバシーを守るための重要な技術です。従来のDNSのセキュリティ上の問題を解決し、通信内容を暗号化することで、ユーザーの安全なインターネット利用を可能にします。今後の普及により、より多くの人々がその恩恵を受けることが期待されます。

