TCP再送とは?パケットロス時の再送制御の仕組み

IT初心者
TCP再送って何ですか?パケットロスってよく聞くけど、それとどう関係があるの?

IT専門家
TCP再送とは、データ通信の際に送信したパケットが受信されなかった場合に、そのパケットを再度送信する仕組みです。パケットロスは、ネットワークの混雑や接続不良などによって発生しますが、TCPはこのロスを検出し、自動的に再送を行うことで通信の信頼性を確保しています。

IT初心者
どうやって再送するのか、具体的な流れを教えてもらえますか?

IT専門家
再送の流れは、まず送信側がデータを送信し、受信側からの確認応答(ACK)を待ちます。一定時間内にACKが返ってこない場合、送信側はパケットがロスしたと判断し、再送を行います。この時、TCPは再送の間隔を調整し、効率的に通信を行えるよう工夫しています。
TCPとは
TCP(Transmission Control Protocol)は、データ通信のためのプロトコルで、インターネットを含む多くのネットワークで使用されています。TCPは、データの送信を信頼性の高い形で行うための機能を提供します。具体的には、データが正しく送信されたかどうかを確認する仕組みや、データの順序を保証する機能があります。
パケットロスとは
パケットロスは、ネットワーク上で送信されたデータの一部が受信側に届かない現象を指します。これは、ネットワークの混雑、障害、接続不良など様々な原因で発生することがあります。パケットロスが発生すると、通信の品質が低下し、データの再送が必要になることがあります。
TCP再送の仕組み
TCP再送は、パケットロスが発生した際に自動的にデータを再送する機能です。具体的な流れは以下の通りです。
1. データの送信: 送信側がデータをパケットに分け、受信側に送信します。
2. 確認応答の待機: 受信側は、受信したパケットに対して確認応答(ACK)を返します。
3. ACKの受信: 送信側は、ACKを受信することで、データが正しく届いたと確認します。
4. タイムアウトの発生: 一定時間内にACKが受信できない場合、送信側はそのパケットがロスしたと判断します。
5. 再送の実施: ロスしたパケットを再送し、再度ACKの受信を待ちます。
この過程において、TCPは再送のタイミングを調整するためのアルゴリズムを用います。これにより、ネットワークの混雑状況に応じて再送間隔を動的に変更し、通信の効率を高めることができます。
再送制御のアルゴリズム
TCP再送制御には、いくつかのアルゴリズムがありますが、一般的には「スロースタート」や「輻輳制御」などが用いられます。
- スロースタート: ネットワークの状態を観察しながら、徐々に送信速度を上げていく手法です。最初は少量のデータから始め、ACKが返ってくるごとに送信量を増やします。
- 輻輳制御: ネットワークの混雑を検知した段階で、再送の間隔を増やし、一時的に送信を抑える手法です。これにより、ネットワーク全体の負荷を軽減し、安定した通信を実現します。
まとめ
TCP再送は、データ通信の信頼性を確保するために不可欠な機能です。パケットロスが発生した際に、再送を自動で行うことで、通信の安定性を維持します。TCPの仕組みを理解することで、ネットワークの動作をより深く知ることができ、システムの運用やトラブルシューティングに役立てることができるでしょう。

